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[書評/レビュー]NOVA4

せっかく更新頻度を増やすといったので。
まあ書評と言っても大したことは書かないつもりです。
ただネタバレ含めたことをちょっと書きたいので、ネタバレがある(と判断した)場合書評にしようと思います。
ということで以下ネタバレ注意

NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
(2011/05/07)
大森 望

商品詳細を見る



【最后の祖父/京極夏彦】
京極夏彦と言えばホラーのイメージが強いが、ルー=ガルーや魍魎の匣などSF的な作品も多数出してる。
物語は既に隠居したお爺さんの視点。見ていたTV番組が終わり、隣人が引っ越して、碁敵竜さんが死んで、「おや、これは週末ものかな」と思うと実はわたしの終わりだったというオチでなんだかなあ。最後に残るのは虚無感のみって演出がちょっと物足りなく感じなくもない

【社員食堂の恐怖/北野勇作】
これまたイロモノSF。
ある日突然社員たちが会社に閉じ込められてしまう話。空腹になった社員たちは社員食堂で食べるしか無いのだが、食べに行った一人が触手に捕らわれて殺されてしまう。
所謂「注文の多い料理店」
この状況を、「パニック時でも社員が平静にいられるか社長に試されてる」と受け取った社員たちは、どうしたら触手に捕まらないか、もしかしたら法則があるんじゃないか、根拠のない論に頼り我こそはと行動を起こす社員たちが滑稽で可笑しくなってくる

【ドリフター/斉藤直子】
『いかりやがうしろにいることを、実は志村は知っている』
この一文で始まるこの短編は、とにかくネタが古い。(おれもわかんねーよ!)でも知らなくてもなんとかなる。
物語は文化祭打ち上げ時間に何故か守衛室でセーフティ情報委員の『僕』と警備員の『おっちゃん』の会話が中心になる。
ラノベ作家も顔負けなテンポの良い会話と僕とおっちゃんのジェネレーションギャップがとにかく面白くて、オチも二段構えで面白かった。有名な落語を下敷きにしているそうだけど、これも知らなくてもなんとかなる。

【赤い森/森田季節】
そしてこっちが本業のラノベ作家。
古墳の調査を依頼された大学院生がそれを調査しに行く考古学SF。
ラノベ作家らしい語り口調と考古学的なウンチクとのギャップが面白く、それだけで中々読めてしまう。
前半は割と考古学してるなー、と思ったら後半からはラファティを思い起こさせるようなぶっとんだ展開になってくる。
院生らしい最後の締め方がちょっと苦々しい一作。

【マッドサイエンティストへの手紙/森深紅】
「探偵ガリレオ」に似た科学ミステリ路線。
大企業の重工業会社に勤める主人公の田中円は、超天才科学者(かつ人格破綻者、というのはもはやおなじみか)と助手のウサギロボットと出会い、近未来的なミステリを繰り広げる。
社員の行動が逐一管理される大企業で消えた人間の謎を追うというのは使い古された感もあるけれど、愛すべきキャラクタ達と近未来的なガジェットのおかげで結構読める。女性的な話の語り口も面白い

【警視庁吸血犯罪捜査班/林譲治】
『吸血鬼がいる社会』を舞台に吸血鬼の犯罪を追う警察ミステリ。
すごくもったいない。
ちゃんと世界観も作り込んでいて、吸血鬼の関わる犯罪、という切り口も興味あるのだが、短編ゆえかラストはなんか普通にまとまった感じで、最初のインパクトは何処へやら。出来れば長編でこの設定で書いてもらえないだろうか

【瑠璃と紅玉の女王/竹本健治】
SFのFはFableのFとでも言いたげな一作。
煌びやかな物語を綴っただけでで特別目立った所があるわけでもないが、作者が作者なだけに意外中の意外。
竹本氏の普段見られない一面を垣間見れるという意味だは、それなりに価値があるのだろうか

【宇宙以前/最果タヒ】
ここまでSFとしてはおとなしめの(?)作品が連なってきたが、ラストの2作はNOVAの名に恥じない本格SFとして仕上がっている。
作者が詩家ということもあってか超独特な文体に、宇宙・天文学的な考察が混じって面白い化学反応を起こしている。
そこまで風呂敷を広げた挙句ラストは超個人的な事で占めるのも激しい落差に驚きつつも、文章に飲まれてしまう。

【バットランド】
ラスト一作は本格ハードSF。
蒸発するブラックホールと量子のもつれに起こる物理学的危機に対して臨むのは天才車椅子科学者、認知症の老人詐欺師、そしてコウモリ。そしてそれらのバラバラな要素を繋ぐ構成と理論は素晴らしい。
主人公が認知症の老人詐欺師、というのもいい味出している。キャラクタとしても面白いし、少しずつピースが埋まっていく感じがたまらない。
ワイドスクリーン・バロックで640光年の距離と時間を物ともしない書き方も圧巻。
ここまで異色だらけのアンソロジーだったが、やはり王道で本格SFの本作が一番面白かったと評せざるを得ない。
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